2024年1月29日月曜日

L'Incoronazione di Poppea (ポッペアの戴冠)での Luigi Morassi (ルイジ・モラシ) の配役

https://marimocorocoro.blogspot.com/2024/01/claudio-monteverdi-lincoronazione-di_24.html



現在 Opera Vision で配信されている L'Incoronazione di Poppea

脇役は一人の歌手が複数演じているのだが、テノールの Luigi Morassi ルイジ・モラシの

役どころが興味深い。彼には「ネローネの警護」「セネカの友」「ルカーノ」が

あてられている。警護の役はそれほど気に掛けることもないが、(近衛の親密さは

考慮する必要があるかも)「セネカの友」と「ルカーノ」の役の間で複雑な気持ちに

なってしまう。史実ではセネカとルカーノは叔父甥の関係なのだから。


ルイジは舞台でセネカが死にゆく場面で主に深く関わっていて手を取りあう、まるで

あとは任せておけとでもいう感じだ。ここでの役は「友」である。

しかし、時間を空けずルイジは「ルカーノ」としてネローネと共にセネカの死を喜び

合い睦まじく過ごし、度が過ぎたとネローネに釘を刺されるシーンを挟みながら、

ネローネと握手をして舞台からはける。

顔が一緒なので役名を認識してなければ、この男はネローネと通じていてセネカを

陥れたのかと思ってしまう。

そして、彼を「ルカーノ」として意識すれば、史実ではセネカとルカーノは同時期に

ネローネから死を命ぜられるので、肉親を失墜させて次は自身の番とは気の毒な男と

同情しそうになる。


この不可思議な落ち着きどころのない決まりの悪さは、とても注目に値する演出だ。

若手のルイジ・モラシは上手く演じたと思う。


注)実際のルカーノはネローネと「深~い仲」だったわけではない。


2024年1月26日金曜日

”Li zite 'ngalera" (小舟に乗った恋人たち)が放送された

 https://www.nhk.or.jp/radio/hensei/detail.html?fm.71591.2024-01-26.130

1月26日 NHK FM で去年4月にスカラ座で上演された "Li zite 'ngalera" が放送された

午後2:00 - 6:00(240分)

オペラ・ファンタスティカ ミラノ・スカラ座公演 歌劇「小舟に乗った恋人たち」

過去の関連記事はこちら
スカラ座のトレーラー

ウォークマンで録音しようとしていたが、手配に失敗してしまった。
また聴いている途中ネット環境が悪かったのか途中で切れてしまった。
幸い聴き逃し配信が1週間あるので、トライしてみるつもりだ。

さて、聴いている最中はスカラ座監修のリブレットを文字通り眺めていた。
あらすじはわかっていたし、番組解説者の岸純信氏の案内のおかげもあって当たりを
つけながらの鑑賞できた。


録音は2023年4月4日のもので舞台の初日、イタリアのRai3でライブ放送したものだった。
冒頭お客の雑音が入っているのが残念だ。
最終日あたりの演奏は La Scala TV のオンデマンドで配信される予定なので、改めて
こちらの録音状態を期待して観ようと思う。

最期に、タイトルをなんとかしてくれないかと思う。結局カルロたちはガレー船で
帰って行く。ガレー船は絶対「小舟」じゃないぞ。



2024年1月24日水曜日

Claudio Monteverdi L’INCORONAZIONE DI POPPEA(ポッペアの戴冠) - OPERA LIVE STREAMING を観た


YouTube の Opera Streaming チャンネルでモンテヴェルディの「ポッペアの戴冠 
(L'Inconazione di Poppea)」を観た。
今回のプロダクションは2023年6月の「クレモナ・モンテヴェルディ・フェスティヴァル」
での "L'Incoronazione di Poppea" で、ツアー最後の舞台だ。

// CAST Poppea ROBERTA MAMELI Nerone FEDERICO FIORIO Ottavia JOSÈ MARIA LO MONACO Ottone ENRICO TORRE Seneca FEDERICO DOMENICO ERALDO SACCHI Arnalta CANDIDA GUIDA Drusilla CHIARA NICASTRO Lucano/1° soldato/2° famigliare LUIGI MORASSI Liberto/2° soldato/console LUCA CERVONI Mercurio/3° famigliare/tribuno/littore MAURO BORGIONI Nutrice/1°famigliare DANILO PASTORE Venere/Fortuna FRANCESCA BONCOMPAGNI Amore/Valletto PAOLA VALENTINA MOLINARI Virtù/Damigella/Pallade GIORGIA SORICHETTI Conductor and harpsichord ANTONIO GRECO

これまでクラウディオ・カヴィーナの演出2本と、ケイト・リンゼイがネローネを演じた
Winner Staatsoper の舞台を見る機会がネットであったが、前者は読み替え、
後者は演出が凝っていて、なんとなく難しく感じていた。

今回の舞台は、読み替えが殆どなく演出もスッキリしたもので、芝居に集中できた。
また、レチタティーヴォとアリアの繋がりがとてもなめらかだったのも、観劇するに
あたって集中力が途切れることがなくて良かった。(オケが常に一定のテンションで、レチタティーヴォから間を置かずアリアに繋げる演奏をしていた。)
一方そういうわけで、聴き所はどこだっけ?となった部分もあったが、そんな舞台
「レチタティーヴォが上手い歌手、語るように歌う歌手」をオペラに求めて見続けて
きたので、今回はとても満足のいくものだった。

また、今回は今まで聴いてきた歌手が多く出演していたことも嬉しく、長丁場を見続ける
エネルギーになったと思う。

ロベルタ・マメリはベテランのソプラノで声で演技ができる
ルッカ・チェルヴォーニは軽やかに発声するテナー
マウロ・ボルジョーニはヒーロー系のイケボでイケメンなバリトン
ダニーロ・パストーレはカウンターテナーでトリッキーな役をよくこなしている

そして、フェデリコ・フィオリオ君は26歳のソプラニスタ。天使のような可愛らしい
声とルックスだったのに、たった数年で若者らしく男らしい声になって、ベテランの
ロベルタ・マメリと渡り合えるようになったのが素晴らしいと思う。

視聴は 2024, 7,21 まで


2024年1月20日土曜日

Concurso Internacional de canto Tenor Viñas に Filipe Manu が出場

 Concurso Internacional de canto Tenor Viñas

Concorso Internacional de canto Tenor Vinas 

(テノール ヴィニャス 声楽 コンクール)のファイナリストに Filipe Manu 

フィリペ・マヌーが進んだ。

ソリストとして十分活躍しているので、まだコンペにエントリーできる年齢だったと

気づき、ちょっと驚いた。



結果は Filipe Manu が1位になり、特別賞も数賞受賞した。








2024年1月14日日曜日

紫式部集 めぐり逢ひて見しやそれともわかぬまに雲がくれにし夜はの月かげ

 「めぐり逢う」という意味を理解したのは、永六輔の「遠くへいきたい」の

歌詞を知ってからだった。

何かの番組で、「愛する人とめぐり逢いたい」という一節を

『愛する人「と」とすることで、向こう側にも(出)会いたいという思いがあって

欲しいと願っている』というふうな解説をしていて、この言葉は「思い入れが

あって会う」という渇望が強い言葉なのだと知った。


めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に
雲がくれにし 夜半(よは)の月かな
さて、高校時代、百人一首で詞書のないままでこの歌を知った時、これは男女が出会ったのだなと理解し、ずっとそう思ってきた。しっかり勉強しなかった自分が恥ずかしいのだが、貴族社会で姫が「逢う」、月のある夜なら相手は殿方、というのが定石では、というこちらの(勝手な)言い訳もある。遅まきながら今回大河ドラマの関係もあって、知識をアップデートしたわけだが、『逢った人は「幼なじみ」で「同性」』というのが通常の解釈のようだ。
でも、そうなのかな、そうなのかな、そうなのかな、、、
因みに「新古今和歌集」や「紫式部集」では「夜半の月かな」は「夜半の月かげ(影)」だそうだ。

2024年1月6日土曜日

Federico Fiorio の音源

CD が買えるんだと喜んだのもつかの間、めちゃくちゃ高い。無理。

ところで、フェデリコ・フィオリオの音源はあまりアップされていない。
フェイスブックに3曲あったので貼っておく。




https://www.facebook.com/share/p/7hXQaCyXxQgqBhc9/

2024年1月4日木曜日

Alois Muhlbacher アロイス・ミュールバッハーの新譜がリリースされる

 1月5日、アロイス・ミュールバッハー Alios Muhlbacher の新譜がデジタル

先行で発売される



Bononcini: Cantate Per Contralto Con Violini - Challenge Classics: CC72925 - CD or download | Presto Music

https://amazon.co.jp/music/player/albums/B0CQDFN5TS?marketplaceId=A1VC38T7YXB528&musicTerritory=JP&ref=dm_sh_vcowf2F3gkOSscRQH1GFMaNL2

CDは2月より発売予定

ブックレットが欲しいからCDを購入なのだけど、早く聞きたいしどうしよう・・・






3月2日 追記
グラモフォンの評が出ていた
以下抜粋

Alois Mühlbacher sings these laments expressively, with smooth tone and accurate semiquaver runs. One can get used to the change of gear at the bottom of his register; less acceptable is his treatment of the da capos, which are more recomposed than ornamented. He is excellently supported by Ars Antiqua Austria: a special word of praise for the violinist Gunar Letzbor and the nice rubato on descending semiquavers that he introduces into the second aria of Sopra l’orme d’Irene. Texts are provided; a black mark for the absence of translations.


Teatro Alighieri での L'Inconazione di Poppea ライブ配信


/https://www.teatroalighieri.org/events/lincoronazione-di-poppea-2/

Teatro Alighieri で1月19、21日に L'Incoronazione di Poppea が
上演される。
21日の回は YouTube の Opera Streaming チャンネル でライブ配信される。
ネローネは Federico Fiorio フェデリコ・フィオリオ だ。
待ち遠しい限りだ。

Poppea Roberta Mameli
Nerone Federico Fiorio
Ottavia Josè Maria Lo Monaco
Ottone Enrico Torre
Seneca Federico Domenico Eraldo Sacchi
Arnalta Candida Guida
Drusilla Chiara Nicastro
Lucano/1st soldier/2nd family member Luigi Morassi
Liberto/2nd soldier/consul Luca Cervoni
Mercurio/3rd familiar/tribune/lictor Mauro Borgioni
Nurse/1st family member Danilo Pastore
Venus/Fortuna Francesca Boncompagni
Amore/Valletto Paola Valentina Molinari
Virtues/ Damsel/Pallas Giorgia Sorichetti

conductor Antonio Greco




Sonia Prina の息子が歌手デビュー

 ソニア・プリナのインスタを見ていて彼女がロデリンダにジャンプインしたのを知ったが、彼女の息子、マッテオ・フェントロス君が歌手デビューしたそうだ。 この投稿をInstagramで見る EmozioNote(@emozionote)がシェア...