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2023年6月16日金曜日
スカルラッティのグリゼルダを観て
Rffaele Pe, ラファエレ・ペ が出演した "Griselda" の感想がまだだったので、
少しばかり残しておく。
ストーリーはデカメロン十日目最終話の物語を軸にしている。
Decameron Tenth Day, Tenth Story | Shmoop
デカメロンの話は滑稽話である。愚かな領主の無茶苦茶な話。
それをオペラはグリゼルダの受難と領主の苦悩の話に読み替えて作品が出来上がって
いる。
なので、領主の妻への無理やりな仕打ちがしつこすぎて呆れるし腹が立つし、
耐え続けるグリゼルダも可哀そうを通り越してイライラしてくるし、尚且つデカメロンには
ないグリゼルダの娘の悲恋もオペラのお約束でサイドストーリーとしてくっついているの
で、鬱屈した作品に仕上がっている。最後にグリゼルダが報われても「それだけ?」
というカタルシスのなさである。
しかし、デカメロンの時代背景を鑑みれば、領主にとって領民(の娘)なんぞ人ではなく
物扱いなのは当然なのかもしれないし、領民の忠節は絶対で散々な仕打ちに耐えるのは
当然で、グリゼルダが最後にやっと新しい領主の妻(実はグリゼルダの娘)は高貴な家の出
なのだから、自分のように扱わないで欲しいと訴えるのは、彼女の支配者に対する唯一で
精一杯の抵抗だったのに違いない。本当はそこであっぱれと感動しなくちゃいけないのだろ
う。
とにかく、しんどい重たい可哀そうな話の二本立てなので泣き所が見極められなかった。
我慢し続けるグリゼルダ役のレミージョも始終重苦しく歌わねばならないようで
可哀そうだった。
そう、登場人物のほとんどが自分の本音を押し殺しているので(歌う)のでモヤモヤする
のだ。
唯一、ロベルト役のミリアム・アルバーノが領主の妻になるであろう姫への恋心を
(拗らせながら)歌うので、そこは共感できるところだった。
要は、ストーリーと演出はどうなのよ?であるが、それでも綺麗な声で感情にまかせず
歌う歌手陣は凄いのである。
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