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2025年7月14日月曜日

ディエゴ・ゴドイの夏

 ディエゴ・ゴドイ (Diego Godoy) は今年も Musique en Fete Choregies d'Orange に出演した。今回は奥様がお休みで一人での出演だった。

そして、複数回連続していているおかげか関係者からの信頼も厚いようで、7月になってこの劇場で催された「イル・トロバトーレ」のアンダースタディを任された。彼は Yusif Eyvasov (ネトレプコの元夫)の代役だ

こちらは本公演

 そして、こちらはリハーサル風景


 終演後と思われる様子。ネトレプコ含め関係者の皆さんに労われている。

 良かったね!

2025年7月1日火曜日

ガルッピ (Baldassare Galuppi) の " Didone Abbandonata " を聴いてみた。

  ポツダムの音楽祭でガルッピの "Didone Abbandonata" がコンサート形式で演奏された。上演の情報しかなかったのだが、演奏当日にエネアス役のフェデリコ君のインスタグラムのストーリーズでラジオ中継されることがわかり、真夜中眠りに落ちるまで聴いてみた。

Didone Abbandonata の脚本はピエトロ・メタスタジオが書いており様々な作曲家が作品に仕上げている。以前観たレオナルド・ヴィンチのものはとても内面的でドラマチックな仕上がりだったのだが、このガルッピの作品は軽やかで華やかな印象だった。また歌手の起用の仕方も異なり、ヴィンチのほうではカウンターテナーに技巧的な華やかさを持たせていたが、ガルッピのものではテナーがその役割を担っていた。時代が下るにつれ聴衆の嗜好が変わってきたのだろう。(同時代のガスマンの「オペラ・セリア」はカウンターテナーの役割が小さかった) 

歌手陣は Roberta Mameli が降板していた。フェデリコ君のソプラノは女声と比べても遜色がなく、無理のない響きの美しい仕上がりだったし、ミネッチャの聞いただけで彼とわかるアルトは、男声としての存在感が役とリンクしていた。テナーはバロックのカストラートのように技巧がふんだんに盛り込まれたアリアを歌って拍手を沢山もらっていた。

耳だけで聴くのも一興だった。

6月30日現在以下で演奏が聴ける

https://share.deutschlandradio.de/dlf-audiothek-audio-teilen.html?audio_id=dira_D1956504559211F0771548DF3755BF60

Natalie Pérez Dido
Federico Fiorio Enea
Alexandra Tarniceru Selene
Joshua Sanders Iarbas & Nettuno
Carlotta Colombo Araspe
Filippo Mineccia Osmida

NEREYDAS

Ulises Illán Musical Director



2024年4月29日月曜日

Winterreise, Der Leiermann 


 Andre Schuen(アンドレ・シュエン) の新譜「シューベルト 冬の旅」から
「Der Leiermann (辻音楽師)」が先行配信された。


というわけで、他の歌手が歌う "Der Leiermann" も聴いてみようと思う

Benjamin Appl
 
Pavol Breslik
 
 Peter Schreier  

歌手それぞれが独自の解釈で歌っていて興味深いが、Peter Schreier の解釈は
情景が浮かんでくる。 

2024年1月29日月曜日

L'Incoronazione di Poppea (ポッペアの戴冠)での Luigi Morassi (ルイジ・モラシ) の配役

https://marimocorocoro.blogspot.com/2024/01/claudio-monteverdi-lincoronazione-di_24.html



現在 Opera Vision で配信されている L'Incoronazione di Poppea

脇役は一人の歌手が複数演じているのだが、テノールの Luigi Morassi ルイジ・モラシの

役どころが興味深い。彼には「ネローネの警護」「セネカの友」「ルカーノ」が

あてられている。警護の役はそれほど気に掛けることもないが、(近衛の親密さは

考慮する必要があるかも)「セネカの友」と「ルカーノ」の役の間で複雑な気持ちに

なってしまう。史実ではセネカとルカーノは叔父甥の関係なのだから。


ルイジは舞台でセネカが死にゆく場面で主に深く関わっていて手を取りあう、まるで

あとは任せておけとでもいう感じだ。ここでの役は「友」である。

しかし、時間を空けずルイジは「ルカーノ」としてネローネと共にセネカの死を喜び

合い睦まじく過ごし、度が過ぎたとネローネに釘を刺されるシーンを挟みながら、

ネローネと握手をして舞台からはける。

顔が一緒なので役名を認識してなければ、この男はネローネと通じていてセネカを

陥れたのかと思ってしまう。

そして、彼を「ルカーノ」として意識すれば、史実ではセネカとルカーノは同時期に

ネローネから死を命ぜられるので、肉親を失墜させて次は自身の番とは気の毒な男と

同情しそうになる。


この不可思議な落ち着きどころのない決まりの悪さは、とても注目に値する演出だ。

若手のルイジ・モラシは上手く演じたと思う。


注)実際のルカーノはネローネと「深~い仲」だったわけではない。


2023年12月28日木曜日

IL GIUSTINO Vivaldi – Drottningholm Court Theatre を観た


26日から配信が始まった Vivaldi, Il Giusutino
18世紀のグスタフ3世時代の装置を残した劇場で上演されたものだ。

動画は演奏と、装置を操作する裏方の技術者たちの作業風景を所々に差しはさんだ
ものになっている。舞台背景の展開や奈落、音響効果などの殆どが人の手によって
動かされている。一方で照明や録音、映像制作は現代の機械化されたもので
それらの対比は面白い。

さて、Il Giustino はコメディなのか軽めのストーリーで(キャラの掘り下げがそれほど
でもないのに3時間持たせるのはスゴイ)、舞台の演出は「グスタフ3世と仲間
たちが上演している」という設定だ。
アナスタジオを演じるグスタフ3世は Rffaele Pe ラッファエーレ・ペでお気楽な
お婿さんの皇帝とマイペースな王様を演じている。(王様はモブは嫌なので
出番以外は好き勝手をやっている)
"Vedro con mio diletto" と "Sento in seno" は聴かせどころだ。(グスタフが
ストーリーに関係なく歌っちゃいました、という演出だ)
敵役のアマンツィオを演じるのは Federico Fiorio フェデリコ・フィオリオで、
なぜだか演奏中セリが下がってしまったり照明がなくて裏方を呼びつけたりと
演出方と相性が悪く、芝居上での悪役は18世紀のリアルでも嫌われ者なのかしら、
と思ってしまうほどだった。
多分、人の手を借りているとこの様なミスがあったことだろうという考証なのだろう。
しかし、フェデリコの演技は細かく作りこまれていたので、画面から見切れてしまう
のは残念だった。
ユーリ・ミネンコ Yuriy Mynenko のジュスティーノは名を成すことに拘っている
割にアリアンナに言い寄っていて、意外と志の低いキャラだった。騎士としての
心得がないのだろう。
ヴィタリアーノ役のホアン・サンチョ Juan Sancho はいつもより高音域を使って
いてアグレッシブだ。

軽やかでファンタジーに進んだ舞台はラストで劇的に変わる。大団円の
仮面舞踏会のシーンはグスタフ3世暗殺事件が起きた場面のよう。スリリングだ。
ストーリー上は途中で翻意する仇役のヴィタリアーノだが、敗戦国の王であり、実は
ジュスティーノの兄と発覚した。ジュスティーノがアナスタジオの腹心になったのに
乗じて復権を図ろうとしたのだろうか。
さらに、アナスタジオのジュスティーノへの計らいに始終不満を持っている
アマンツィオがヴィタリアーノに接触を試みている。



そして、アマンツィオの一押しとヴィタリアーノの意思は、騎士ではない
(平民として生きてきた)ジュスティーノを暗殺者として拳銃を持ちアナスタジオの
背後に立たせて幕が降りる。発砲音に似せた本を閉じる音に反応するアリアンナ
(役のソフィア王妃)が意味深だ。
もしくは、仮面舞踏会はグスタフ3世の宮廷で、芝居の演者の中に暗殺者一味が
紛れていたのだろうか。
そういえば、第一場の終わりアリアンナがアナスタジオに忠誠を誓いながら死んで
いくと切々に歌う場面では、グスタフ3世は王妃ソフィア・マグダレナの姿と重ねて、
物見しながら立ち去ってしまう。
ここはグスタフ3世と不実の噂を立てられた王妃ソフィア・マグダレナとのすれ違う
夫婦関係を重ねているようだった。
このように、今回の演出はドラマとグスタフ3世の宮廷を行ったり来たりしている。
圧巻の演出だ。








2023年12月8日金曜日

Ah sì ben mio...Di quella pira - Diego Godoy, MAY 2023, JAPAN OPERA FEST...


Diego Godoy (ディエゴ・ゴドイ) によるマンリーコ(Il Trovatore) のパフォーマンスが
アップされている。奈良、法隆寺での舞台だ。
本人はとても気に入っていたようだ。


2023年6月22日木曜日

ディエゴ・ゴドイがフランスの musique en fete に出演した

ディエゴ・ゴドイがアレゴリカマネージメントを離れてしまい、どうしているかと思ったら
来日してました。
法隆寺でのオペラにジャンプインしていたのです。






今後はもっと歌声が聴けるとうれしいです。

2023年3月20日月曜日

CATONE IN UTICA Vivaldi – Teatro Comunale di Ferrara ヴィヴァルディの「ウティカのカトーネ」を観た

You Tube でヴィヴァルディの「ウティカのカトーネ」を観た。

今回の上演のいきさつは2021年の年末フェラーラで上演されたヴィヴァルディの「ファルナーチェ」が好評だったので、再びヴィヴァルディの作品を扱った、ということらしい。
また、プログラムはもともと1幕目が失われているて今まではの1幕目の再現に力を注いで
いたが、今回はそこをあえて再現せずにいる。
3幕目が失われている「ファルナーチェ」をその通りに上演した時と同じアプローチだ。

指揮者はこちらもフェデリコ・マリア・サルデッリ。
演者はテナーとソプラノ、メゾ、アルトの構成、
カウンターテナーは使っていない。今回はこの構成で良かったと思う。
「ファルナーチェ」の成功にあやかってか、今回はサルデッリ関係者の割合が多かった。
同じエージェントから、アリアンナ・ヴェンディッテッリ、ミリアム・アルバーノ、
ヴァレンティノ・ブッツァが、「ファルナーチェ」関係からキアラ・ブルネッロと黙役が
出ていた。

ヴェンディッテッリはチェーザレ役だった。芝居の中の年齢設定は恐らくいい年のおじさん
なのだが、美人さんなヴェンディッテッリによって若々しく情熱的な青年になっていて
マルツィアがお父さんのカトーネに逆らってまでもチェーザレを愛しぬくのも
分かる気がした。

ミリアム・アルバーノは初めて声を聴いた時(これはJ.J.オルリンスキが初めて収録された
アルバムに2曲提供しているもの)に比べてグッと情熱的になっていて、
演者としても上手くて目が離せなかった。
芝居の中では本筋にいない役なので(ポンペイウスの仇を撃つチャンスを虎視眈々と狙っているので、どちらかというとドラマの傍観者であったり、狂言回し的な立ち回りをしている)、いざ自分の野心を晒すと感情の振り切り具合が凄まじく、与えられたアリアもそれに相応しく感情をのせ、かつ正確に歌い上げていて、本当に感動的だった。

キアラ・ブルネッロは声が逞しいアルトでミリアム・アルバーノ(エミリア)の恋人として
色っぽく、チェーザレの部下として勇ましかった。ただ、今回手を骨折していたので(演出
ではなかった)踏ん張りが足らない時があった。「ファルナーチェ」の時は良かったのです
よ。

見目麗しい女性が男役をやると、生身の男性ではなく女性の思う理想の男性像が
そこにあって夢心地になれるので、今回の配役は絶妙だったと思う。


2021年6月6日日曜日

フィリペ・マヌが Edinburgh International Festival に出演

フィリペ・マヌ Filipe Manu が8月シュトラウスの「ナクソスのアリアドネ」に

オフィサーの役で出演とのこと。

また、フェスティバルのオープニングコンサートでプルチネルラのテナーも担当する。


 https://www.eif.co.uk/events/ariadne-auf-naxos#artists

2021年5月4日火曜日

Filipe Manu graduated from the prestigious Jette Parker Young Artist Programme

 テノールのフィリペ・マヌがROHのジェット・パーカー・ヤング・アーティスト・

プログラムを卒業し、エージェントのMWAとマネージメント契約を結んだ。

早々に舞台もきまっているようだ。

https://mwamanagement.com/ https://mwamanagement.com/news

追っかけるのが大変になりそう!

2021年3月18日木曜日

Pavol Breslik の Winterreise

 Pavol Breslikの「冬の旅 Winterreise 」のステージが配信される。

Pavol のひとり芝居の様になっているようで、孤独の中に突き進んでいく主人公の青年と

重なる。

3月22日、現地時間20:00の配信で10ユーロ。


http://www.sdke.sk/sk/opera/online-zive-umenie-franz-schubert-zimna-cesta-winterreise



https://youtu.be/hQizZyKRUF4

2021年3月15日月曜日

ヴェルディ ドン・カルロ、ドン・カルロス

 昨日、今日とウイーン国立歌劇場が配信したヴェルディのドン・カルロ(伊)と

ドン・カルロス(仏)を見た。

実は、こちらの知っているドン・カルロはイタリア語のこちら、

カウフマンとハルテロスのコンビだ。

フォンテンブローの森のシーンも入っていて、とてもトキメク、お気に入りだ。

https://www.amazon.co.jp/Don-Carlo-Blu-ray-Wiener-Philharmoniker/dp/B00H28A5N0/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&dchild=1&keywords=Don+Carlo&qid=1615813911&sr=8-1

なので、今回初めてイタリア語版にはフォンテンブローのシーンは基本的にはない

ことを知って驚いた。

あれがないとドン・カルロとエリザベートの悲しみが解らないと思うのに、、、

また、フランス語版は最後ドン・カルロがカルロ5世に冥界に連れて行かれる時、

エリザベートも着いて行くのだ。愛に殉じるというのか、王妃としての誇りと

個人の心情の葛藤があまり見えないキャラ設定で物足りなかった。


そして何よりも残念なのは、時の流れだ。

イタリア語版に出ていたホロストフスキーはもうこの世にはいないし、フランス語版の

カウフマンは歳には勝てない。確かに内面の表現は素晴らしいと思うが、

青年らしい動きのみずみずしさはもう無かった。髭で顔の輪郭を誤魔化すのも許せない。

本当、時は残酷。


唯一良かったのはフランス語版のエボリ公女の Eve-Maud Hubeaux 。

彼女が歌うとフランス語版なのね、と気付かされた。



2021年1月19日火曜日

Opera Unlocked – Tenor Filipe Manu sings high above the Royal Opera House (SHERLOCK 的演出)


久しぶりに Filipe Manu の動画が上がったのでワクワクしています。
こんな時(イギリスは今ロックダウン中)でなければ、
彼を舞台にどんどん出してあげたかっただろう、ロイヤルオペラハウスの
思いが感じられますよ。

ところで、演出が BBC SHERLOCK 風で、ドラマにはまっていた自分としてはツボです。
(至宝とまで言われたベネディクト・カンバーバッチと一緒にしていただいたのですから、
Filipe Manu にもビッグなテノールになっていただきたいです。)

曲は Una furtiva lagrima

Una furtiva lagrima           ひそかな涙が              
negli occhi suoi spuntò:     あの女(ひと)の眼に浮かんだ                          
Quelle festose giovani        彼女は賑やかな娘たちを
invidiar sembrò.                羨んでいるようだった。
Che più cercando io vo?     僕はこれ以上何を求めよう。
M'ama! Sì, m'ama,            あの女は僕を愛しているのだ。
lo vedo. Lo vedo.

2020年12月30日水曜日

フィリペ・マヌ Filipe Manu が参加するクリスマスコンサート

 https://www.bbc.co.uk/sounds/play/m000qhjh

the Royal Opera House, Covent Garden, in London, a Christmas Concert が

BBC R3 で聴けます。1:05:00 辺りから Filipe Manu フィリペ・マヌが

「魔笛」のタミーノのパートを歌います。

2021.1.21 まで聴けます。

映像はロイヤルオペラハウスで有料コンテンツが提供されています。

https://stream.roh.org.uk/packages/the-royal-opera-christmas-concert/videos/the-royal-opera-christmas-concert


2020年11月13日金曜日

ラブソングを歌う Filipe Manu

 https://twitter.com/royaloperahouse/status/1325853093649641477?s=21


トンガのラブソングを歌うFilipe Manu
馴染みの歌らしく、歌に気持ちが乗っている
声もリラックスしていて軽やか

こちらは YouTube でのフルコーラス



こんな感じで舞台に立てたらいいね


2020年11月11日水曜日

テノールはイケメンがいいね

 インスタにギターを弾きながら歌うテノールが流れてきた。

フローレスかな?と見直すと、ウクレレを弾くテノール、ヒュー グラントに

ちょっと似たイケメンだった。

とても気になってしらべていくと、ロイヤルオペラハウスの歌手のよう

(Jette Parker Young Artist with the Royal Opera House)


将来が楽しみな若手さんらしく、

パッパーノやフローレスのマスタークラスに参加していたり



コロナ禍でのロイヤルオペラハウスのコンサートに出ていたりする。

ありきたりな言い回しだけど、こんな甘いマスクはヒーローに相応しい。

トンガにルーツのあるニュージーランド出身のテノール、フィリペ マヌ Filipe Manu 

目が離せません。



アンティークジュエリーを買うにあたって思うこと

 某SNSでアンティークジュエリーディーラーと購入者の間で行き違いによるトラブルがあった。 購入者はディーラーのサイトから指輪をサイズ変更をして購入した。が、その後購入者が指輪に所謂ホールマーク等刻印がないため、品質に疑問を抱きディーラーへ説明を求めたが、その時のディーラーの対応...