2026年5月31日日曜日

" Acis and Galatea " Handel HWV49b at Teatro Perez Galdos, Las Palmas, April 2026 を観た

AND GALATEA", Händel`s last version 49b in english and italian at Teatro Perez Galdos, Las Palmas, April 2026
スペインで上演された " Acis and Galatea (HWV49b) " を観た。
このタイプは「 ヘンデルが貴族の屋敷で内輪に披露したマスク HWV49 が、外部に流出、
海賊版のようにヘンデルの許可なく杜撰な上演で市中に広まったので、ヘンデル自身が
自身のオリジナルとして再構成して世間に発表したもの」とか言われている。
実際この HWV49b の台本と思われるものは Google Books に存在していて、
HWV49 と HWV72 の歌詞が混在しているものだった。今回の動画で歌われているアリア、
とくに HWV49 の英語の歌詞がイタリア語の歌詞と並立して掲載されていて、HWV49, HWV72 のどちらにも存在しないポリフェーモのアリアも掲載されている。

そんなHWV49bの楽曲をメインして、Raffaele Pe (ラッファエーレ・ペ)がクリティカル
エディションとして発表したのが、下の " Aci, Galatea, e Polifemo " である。


なぜ、Raffaele Pe が HWV72 として発表したのかわからないが、
物語が1708に発表したオリジナルHWV72の構成に近いからかもしれない。
HWV72は Aci と Galatea の物語が初めから若干不幸なのに対して、HWV49 は満ち足りている。またポリフェーモの存在感も異なっている。HWV72 での彼はドラマ全体を支配している。

HWV72 が HWV49に変化していくのは 時間の経過や注文主の要望が原因だと思うが、HWV49 の物語は大きく様変わりしている。そして勝手に改ざんされて本人も不本意だっただろうから、薄くなったポリフェーモの存在(キャラクター性も含めて)を復活させ、ヘンデルが 集大成としてHWV49b をあえて作ったのかもしれない。
個人的にはこちらの方がドラマの質が高く、始まりがダレなくて好みだ。

昨今は時代と共に改変されたオペラなどは、作者オリジナルのもので演奏するようだが、
このヘンデルの作品はヘンデルがしたいようにして変えたものなのだから、これも一つの
オリジナルとして認めてもいいと思うし、今回のように復活上演した劇場に敬意を評したいと思う。(ただし舞台のエンディングは現代の価値観に置き換わっていたので、そこの演出を
もう少し練ってほしかった)

最後に、 Raffaele Pe クリティカルエディション " Aci, Galatea e Polifemo "のオーディオで
英語で聴いてきたアリアをイタリア語でも味わってほしい。

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