La Scala TV で "li zite 'ngalera (小舟に乗った恋人たち)" の配信が始まっていた
https://lascala.tv/it/evento/6ed87586-2240-4259-ad22-4922859ddd9a
昨シーズン、スカラ座で上演されたバロック時代の喜劇作品だ。
作曲は Leonaldo Vinci。
今年1月ラジオでも聴くことができたが、映像だと言葉の壁を超えることができて
楽しく鑑賞できる。なお日本語はないが字幕設定付きだ。
Meneca役のテノール アルベルト・アレグレッツァ(Alberto Allegrezza)が秀逸だった。
男性のトラヴェスティはバロックオペラに親しんでいない人には新鮮に映ると思うが、
女性を演じる男声を理解できる人たちにも、圧巻だと感じるだろう。スポット的な
添え物でなくストーリーを引っ張て行く主要メンバーとして出ずっぱりで女性を全う
していた。
もちろん主人公を演じたアスプロモンテ (Francesca Aspromonte) のトラヴェスティ
は申し分なく美しくて、花形役者味のある男性を演じていた。
フィリッポ・ミネッチャ (Filippo Mineccia) は姿、声が役にぴったり合っていて
良かった。「繊細」「せつない」的キャラクターには彼でなくちゃ、と常々思う。
またラッファエーレ・ペー (Raffaele Pe ) が「女の子だったら~」と歌うときに
女装をするとは思っていなかったので驚いた。彼の役は色物として終始振り切れていた。
上演中、袖近くで猫 (Menecaが抱いていた猫ミーチャ)のフィギュアが佇んでいて
時折首を振ったりしていたのだが、この猫をカーテンコールでズームインで映して
くれて、演者として敬意を払ってくれていたのが印象的で温かい気持ちになった。