Boston early music festival; Acis and Galatea のCDがやっと到着。
2009年の初演、2015年に再演され、このCDは2013年にスタジオ録音されたもの。
ブックレットの写真は初演のものが載っている。
解説はグラモフォンの記事がわかり易い
全編の映像が無いのが残念。
ポリフェムスを演じるDouglas Williams ダグラス・ウィリアムズ。
右のアイパッチをつけている紳士。
ポリフェムスはギリシア神話に出てくる一つ目の巨人、そしてこの演出では台本を書いた
一人のアレキサンダー・ポープも兼ねている。
ストーリーを単純に解釈すれば、ポリフェムスはドラえもんのジャイアンみたいなもんだが、
この演出(ヘンデルのパトロンになったチャンドス侯爵夫妻がヘンデルにパストラル歌劇を
依頼し、ヘンデルと当時文壇を賑わしたアレキサンダー・ポープ、ジョン・ゲイが共同で
「エイシスとガラテア」を作っていく)だと、実生活で貴族の奥方に報われない恋心を抱き
破れたポープという背景がポリフェムスに加わるので、この舞台に限って、ジャイアン、
ポリフェムスが恋に焦がれて煩悶して壊れていくインテリイケメンキャラになり、彼の不幸に
大いに同情してしまう。
また、ザッカリー・ワイルダーのコリドン(写真、右から2番目)はジョン・ゲイも兼ねていて、
さらに、コリドンの名はパストラル芸術の源の一人である古代ローマのヴェルギウスの
詩に出てくるアレクシスとコリドンの関係を思い出させ、アレクシス(アレキサンダー)に
報われない恋心を抱くコリドン(ジョン・ゲイ)という構図は、ザッカリー・ワイルダーの
可愛いらしいマイムも手伝って、いじらしく、切ない。
全編が観られないのが本当に残念だ。