ポツダムの音楽祭でガルッピの "Didone Abbandonata" がコンサート形式で演奏された。上演の情報しかなかったのだが、演奏当日にエネアス役のフェデリコ君のインスタグラムのストーリーズでラジオ中継されることがわかり、真夜中眠りに落ちるまで聴いてみた。
Didone Abbandonata の脚本はピエトロ・メタスタジオが書いており様々な作曲家が作品に仕上げている。以前観たレオナルド・ヴィンチのものはとても内面的でドラマチックな仕上がりだったのだが、このガルッピの作品は軽やかで華やかな印象だった。また歌手の起用の仕方も異なり、ヴィンチのほうではカウンターテナーに技巧的な華やかさを持たせていたが、ガルッピのものではテナーがその役割を担っていた。時代が下るにつれ聴衆の嗜好が変わってきたのだろう。(同時代のガスマンの「オペラ・セリア」はカウンターテナーの役割が小さかった)
歌手陣は Roberta Mameli が降板していた。フェデリコ君のソプラノは女声と比べても遜色がなく、無理のない響きの美しい仕上がりだったし、ミネッチャの聞いただけで彼とわかるアルトは、男声としての存在感が役とリンクしていた。テナーはバロックのカストラートのように技巧がふんだんに盛り込まれたアリアを歌って拍手を沢山もらっていた。
耳だけで聴くのも一興だった。
6月30日現在以下で演奏が聴ける
Natalie Pérez Dido
Federico Fiorio Enea
Alexandra Tarniceru Selene
Joshua Sanders Iarbas & Nettuno
Carlotta Colombo Araspe
Filippo Mineccia Osmida
NEREYDAS
Ulises Illán Musical Director
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