昨日、今日とウイーン国立歌劇場が配信したヴェルディのドン・カルロ(伊)と
ドン・カルロス(仏)を見た。
実は、こちらの知っているドン・カルロはイタリア語のこちら、
カウフマンとハルテロスのコンビだ。
フォンテンブローの森のシーンも入っていて、とてもトキメク、お気に入りだ。
なので、今回初めてイタリア語版にはフォンテンブローのシーンは基本的にはない
ことを知って驚いた。
あれがないとドン・カルロとエリザベートの悲しみが解らないと思うのに、、、
また、フランス語版は最後ドン・カルロがカルロ5世に冥界に連れて行かれる時、
エリザベートも着いて行くのだ。愛に殉じるというのか、王妃としての誇りと
個人の心情の葛藤があまり見えないキャラ設定で物足りなかった。
そして何よりも残念なのは、時の流れだ。
イタリア語版に出ていたホロストフスキーはもうこの世にはいないし、フランス語版の
カウフマンは歳には勝てない。確かに内面の表現は素晴らしいと思うが、
青年らしい動きのみずみずしさはもう無かった。髭で顔の輪郭を誤魔化すのも許せない。
本当、時は残酷。
唯一良かったのはフランス語版のエボリ公女の Eve-Maud Hubeaux 。
彼女が歌うとフランス語版なのね、と気付かされた。