録画してあった平成中村座の「天守物語」を観た。中村七之助が富姫、中村鶴松が亀姫、中村虎之助が図書之助という配役である。
前半はテンポが速く役者各々がセリフを処理していくだけという印象があったが、富姫と亀姫の戯れは丁寧に扱っていた。
舞台は後半、富姫と図書之助の場面をより深く作りこんでいたようで、富姫のキャラが明確で図書之介は立場(身分)ゆえの立ち居振る舞いもそれに叶っていた。なので富姫の絶対的上位からの恋のアプローチは気持ちよい。一方それ故、図書之介が富姫の気持ちを受け入れたあとのエネルギーが小さく見えてしまい残念だった。目が見えなくなってからは、威を保とうとする富姫に寄り添ったり抱きしめたりして支える姿があっても良かったように思った。
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