キャストは以下のとおり
Orlando Yuriy Mynenko
Alcina Sonia Prina
Angelica Arianna Vendittelli
Bradamante Loriana Castellano
Ruggiero Filippo Mineccia
Medoro Chiara Brunello
Astolfo Mauro Borgioni
Conductor Federico Maria Sardelli
以前 Vivaldi の Orlando Furioso でリンクしたプロダクションの英雄、ファンタジー
演出に比べて人間ドラマになった舞台だった。
以前だったら、「バロックのヒーローといえばソニア・プリナ」だったけれど
ここ2.3年でカウンターテナーがそこを演ずることが認知されてきて、彼女は
メゾ、アルトとして女性役の機会が増えている。なので、今回のオルランドには
「男です」を前面に出したユーリ・ミネンコを配している。そして、タイトル
ロールが「高音を出す(人気)役者」から「成熟した男性(コントラアルトなのは
おまけ)」と置き換わったおかげで、他の男性役にも個性がついた。メドーロには
「少年っぽさ」ルッジェーロには「気弱な男」といった個性がついたように見えた。
アンジェリカもブラダマンテも自分の恋人がかわいくてしょうがないといった
感じだった。
そして、ソニア・プリナは魔法で個々を完全支配するヴィランとして存在していた。
今のソニア・プリナの声は意思の強い逞しい女性役にふさわしいと思う。
キアラ・ブルネッロの舞台を観るのは3演目で、舞台ごとに存在感が増してカッコよく
なってきた。これからも楽しみだ。
マウロ・ボルジョーニも目にも耳にも美しいバリトンだった。序盤もう少し嫉妬に苦しむ
姿を見たかった。