2022年1月4日火曜日

Raffaele Pe 主演の「ファルナーチェ」1738年版

 年明けの最初にRaffaele pe, ラッファエーレ・ペの舞台を投稿できて嬉しい。

大晦日未明にライブストリーミングで観たヴィヴァルディの「ファルナーチェ」である。

現地時間は 12月31日午後8:00スタートだった。


詳しいことがわからないまま観た結果、呆気なく終わってしまった、ペ氏があまり出て
こない、とガッカリしてしまったのだが、色々調べてみると今回の作品はヴィヴァルディの
3幕物の第3幕が失われた 1738年版の舞台ということがわかった。
1738年版は、今回指揮者のサルデッリ氏が 2013年のフィレンツェ5月祭で上演したステージ
形式のものがあり、此方はCDにもDVDにもなっているが、改めて舞台化して上演したのだ。
そして、この上演は史上初になるそうだ。というのも、この 1738年版はフェラーラで上演
される予定が当時の教会関係者によって中止となり、ヴィヴァルディ本人も数年後に亡くなり
陽の目を見ることが出来なかったのだ。そういうわけで、予定されていたことが行われるべき
場所で行われたということは、ヴィヴァルディ研究の第一人者であるサルデッリ氏にとって、嬉しいことではないかと思う。

そうは言っても、尻切れトンボな本はそういうものなので、舞台は辻褄が合うように2幕
後半の演出は細かく詰め込まれていて、アリアだけ聴いている場合ではない。
3幕物のエンディングは全てが和解するのだが(史実はローマがファルナーチェを負かして
彼の国を属州にしてしまう)、2幕で終わるこの作品はカッパドキアの女王ベレニーチェ
(ファルナーチェの妻の母)がファルナーチェの息子(ベレニーチェの孫)に国を譲り、
ファルナーチェと息子は共に新たな戦いに挑むというところで落ち着かせている。(しかし、
史実は、ファルナーチェの兄が父ミトリダーテによってカッパドキアの王となり、後に
父に暗殺された。)

さて、ソリストは全員イタリア人なので、レチタティーボがとても自然で美しく気持ち良い。
また、イタリア人がイタリア語に乗せたメロディを歌うのだから全てにおいてノリが良い。
ぺ氏は縦のりで歌っていたりで、ロックだ。(個人的に、ぺ氏は結構フレディ・マーキュリー
に似ていると思っているのだけど。)
通して全体がとても聞きやすいオペラになっている。

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