某SNSでアンティークジュエリーディーラーと購入者の間で行き違いによるトラブルがあった。
購入者はディーラーのサイトから指輪をサイズ変更をして購入した。が、その後購入者が指輪に所謂ホールマーク等刻印がないため、品質に疑問を抱きディーラーへ説明を求めたが、その時のディーラーの対応が不誠実と感じられ、返品を求め、ディーラーはサイズ変更後の返品は受け付けないとなり、双方対立した。
結局、弁護士を入れる入れないの(半ば脅しのような)やりとりの末、購入者は消費者センターにクレームを入れ、返品をあきらめた。また、本人は指輪に思い入れが無くなり処分を考えたが思うような買取価格が出ることがなく売り払うこともできずにいる。さらに指輪は石が外れてしまって使い物にならない状況になっている。
購入者には気の毒な話であるが、どうして購入前に気になることを問い合わせなかったのかと疑問に思う。およそ30万円の「5ストーン ガーネットリング」はかなり高額で、支払う前に色々と確認するべきかと思う。実際商品ページは解説のわりに商品情報そのものは少ないので、購入する際には熟考する必要があったと思う。そこはアンティークジュエリーの知識が乏しいという以前の話かと思われる。
ディーラーに関してはその業界でそしてネット販売で息の長いところではあるが、購買者に対しては若干丁寧ではないというか客を選ぶ店づくりだと思う。まず商品の情報が少ないのはとても残念だと思う。外観の解説は細かいのだが物理的な情報がない。見ればわかるだろうに頼らず、石の種類、留められた石の数、おおよその縦横のサイズ、リングの幅、地金の質や厚みは記載されるべきだと思う。だから鑑別だの鑑定だのを要求されるのだろう。鑑定はダイヤモンドにしかでないので、ここでは鑑別を取ることになるのだが、これは鑑別機関のルールに従うしかないから、購入者の希望通りの情報がもたらされることがないかもしれない。また想定外の結果がでることもあるかもしれない。ディーラーは購入者にディーラー自身の考えを全て受け入れてもらえるよう、できるかぎり正しい情報を入手し公開する必要があると思う。ディーラー本人が不誠実と思われないようにするための予防線だ。あと、このディーラーは本人が広告塔らしくSNSを駆使しているようだが、本人の性格が垣間見える。これが店(販売サイト)への評判に繋がることをもう少し自覚した方がいいと思う。
石が外れた件だが、これはアクシデントかもしれないし、なるべくしてなったかもしれない。現代の指輪でもそうだが、サイズ直しは一定のリスクがある。輪を切って大きくまたは小さくすることは完成されたバランスを崩すことになるので、特に爪留めは歪みによって石が外れやすくなる。また、使っているうちに爪が緩むこともある。こういった時の修理、メインテナンスのためにディーラーの助けが必要になるので、購入者はディーラーとは仲違いしない方がよかっただろう。