2020年11月18日水曜日

コロナ禍でオペラを上演すること

 舞台芸術ってどれだけの人たちの手によって作られているのだろう?

演者は勿論、稽古に関わる人たち、舞台を作る裏方さん、上演中にセットを担当する人たち、

照明さん、などなど、、、

オペラはそこに演奏家たちが加わる


先日ライブストリーミングがあった “ Aci, Galatea, e Polifemo “ はコロナ禍で

感染者増加の中でリスクを極力抑えて、いかに舞台芸術を続けて行くかという

課題に対する答えの一つのように見えた


まず、題材は出演者が少なく、上演時間が短いものであった

演出はフィジカルタッチが全くないものだった(ラスト近くにアチがガラテアに

手を引かれて退場するが、これ一度きりだ)

舞台装置は簡素で、スクリーンに映る映像や照明は少人数の遠隔操作と思われる

会場にいる人たちは演者と指揮者以外はマスク着用

会場には観客入れず、ネット配信だった

カメラワークも遠隔操作だっただろう、若しくは会場内でも舞台からかなり離れている



フィジカルタッチのない演出のおかげでストーリーは素朴で、清らかで、ノスタルジーの

ある50年くらい昔の青春映画のように見えた

特に粗野なポリフェーモが力づくでガラテアに迫っていくのが当然のようなキャラなのに、

女性を虐めてはいけないと戒め、指一本触れることが出来ない程うぶな恋心を持った男に

なっており、キュンとなってしまった

シンプルな舞台装置は制作当時のシチュエーションを鑑みれば充分な出来栄えだし

ライブストリーミング視聴は見るチャンスに恵まれない人たちにとってはとても嬉しい

現地に行けない私が、見られて感激である

臨場感に欠けたとしても、世界をマーケットにするに相応しい手段だ


新しいスタイルのオペラを模索している今、ひとつの提案になったと思う

次に繋げて芸術活動が続いていってほしい





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