2025年4月4日金曜日

劇場のクセ

 ルイジ・デ・ドナートが歌うアルマヴィーア伯爵の動画があったので聴いてみた。

https://youtu.be/iP6yTzvc-A4?si=PpeZh6C8imwz3zyT

今回は彼のパフォーマンスの話をしたいのではなく(彼は音域が広い良い歌手だと思っている)、舞台の最適ポジションはどこなのかということを考えたかったのだ。

というのも、私は地元のコンサートホールでオペラを一本とオペラコンクールで複数の歌手のパフォーマンスを聴く機会があって、その時の印象が蘇ったからだ。

オペラは「椿姫」だった。アルフレード役は当時その役で何度も日本で演奏してくれるイタリア人テノールで、日本では評価が高い歌手だと思われた。私は遠征費も掛けずに(東京はここからはとても遠い)そんな人気のある歌手が聴けるのはまたとないチャンスとかなり期待していた。しかし、彼の「乾杯の歌」の第一声はホールを響かせる美しさも声量もなかった。後に伝え聞いた話では、このホールはオケや楽器の音色を効果的拾っているらしい、とのことだった。舞台袖付近であの歌を歌う演出だった彼は圧倒的に不利だったのだ。

オペラコンクールは、ここ数回上位者がその後の他のコンクールでも好成績を収める程度に質の良い若手が集まるようになったコンクールだった。ファイナリストは6人で、そのうち一人はセミファイナルまでのパフォーマンスでは歌の解釈、役の解釈が堅実かつ的確で好ましいものだったが、ファイナルでは精彩を欠いた。声がオーケストラにかき消されてしまい、それに気づいたであろう彼のパフォーマンスは勢いを失ってしまった。第一声で明らかに解ったそれは、アルフレード役テノールの立ち位置の失敗と同じだった。舞台中央であっても音響の死角があったのだ。

さて、デ・ドナートの動画だがレチタティーヴォとアリアの前とで聴こえ方が違う。確かにアリアの方が歌唱スタイルを保っていて美しい響きがあるのだが、声そのものが小さい。その時彼は舞台の中央前にいる。一方アリア後半で彼は若干奥に下がるのだが、音としては大きく聞こえてくる。これは、この劇場の構造において音響効果の良好な部分とそうでない所があるということだろう。

劇場やホールはどんなに評判が良くても、各々にクセも得て不得手があるのだと思う。歌手や演出家は使用するにあたって早々に(リハーサルの間に)それらを見抜いてより良いパフォーマンスを見せてほしいと思う。

2025年4月3日木曜日

L'opera seria - Trailer (Teatro alla Scala) Filippo Mineccia を探せ!


現在スカラ座でガスマンの "L'Opera Seria" が上演されている。フロリアン・レオポルト・ガスマンはグルックのあと宮廷に招かれた作曲家で、サリエリを指導し、ガスマンの娘はサリエリの指導の下歌手になったのだそうだ。

さて、今回の "L'Opera Seria" はオペラ・ブッファで、文字通りオペラを上演するまでの悲喜こもごもを描いている。
そして、フィリッポ・ミネッチャ (Filippo Mineccia) はトラヴィスタで登場する。彼はお顔がもともと中世的なクールビューティなので、女装がよく似合っていて、トレーラーでは初見どこに登場したのかよくわからなかった。

現在 Rai Radio3 Suite では初日の演奏を聴くことができる。

またスカラTVでは今日の舞台がストリーミング配信される。

2025年3月30日日曜日

Wedgwood の指輪を作りたい

10年以上前、手に入れたWedgwood Jasper。表裏にカメオが施してあって脇には溝がほられている。


これを指輪に加工したいと長年考えていたのが、気づいてみれば地金の値が高騰してしまって叶わずにいる。


作りたいイメージは決まっていて、ポピュラーなデザインもいいけれど


こういったものもカッコイイLAELIUS Antiques – Rare Georgian Wedgwood Swivel Ring



2025年3月10日月曜日

Il Trionfo dell'onore のレヴュー

 Teatro Mriblanで「貞節の勝利(Il Trionfo dell'Onore)」の舞台が始まっている。

ステージレヴューも出ていて、おおむね好評だ。

Venezia, Teatro Malibran – Il trionfo dell’onore – Connessi all'Opera

一方、バロックオペラでカウンターテナーの起用が当たり前になって、歌手の層が厚くなったのと同時に、個々への評価も辛口になってきたようだ。

2025年3月7日金曜日

The Last Show of the Year at the Kabuki-za! より「天守物語(市川團十郎)」

個人チャンネルの2024年12月の歌舞伎座の演目紹介の中に「天守物語」があった。こちらの紹介では市川團十郎(当時、海老蔵)が図書之介を演じた時のビデオを使用している。

06:37~

私は團十郎演じる図書之介は初めて見る。彼はもともと文句なく美しく出来上がった姿形を成しているので、舞台では問題なく「天守物語」の世界観が成立しているだろうと想像していた(むしろ記号化する程度に簡単に出来上がっていて退屈だろうと高を括っていた)のだが、それを遥かに超える次元の映像だった。
團十郎図書は「美しい若者」ではなく、「妖艶な男」だった。富姫を超える魔物感があって、彼女は分別やプライドを忘れて図書に支配されてしまうのではないかと思われる様子だった。
こちらの世界観が壊れてしまった。

2025年3月6日木曜日

Giulio Cesare in Egitto (Teatro Petruzzelli)

9月、Raffaele Pe は Teatro Petruzzelli のジュリオ・チェーザレに出演する

https://www.fondazionepetruzzelli.it/eventi/giulio-cesare/ 

演出は Teatro dell'Opera di Roma (2023) のものだ。

Il Trionfo dell'Onore ドレスリハーサル

 

3月7日から Teatro Mariblan で始まる " Il Trionfo dell'Onore "  のドレスリハーサルが始まっている。

劇場のクセ

 ルイジ・デ・ドナートが歌うアルマヴィーア伯爵の動画があったので聴いてみた。 https://youtu.be/iP6yTzvc-A4?si=PpeZh6C8imwz3zyT 今回は彼のパフォーマンスの話をしたいのではなく(彼は音域が広い良い歌手だと思っている)、舞台の最適ポジシ...