ファリネッリ・コンペティション 2025 を観た。これはカウンターテナーのためのコンペティションで、マックス・エマニュエル・チェンチッチが主催のようだ。
50人ものカウンターテナーがエントリーして6人のファイナリストが舞台に立った。
それによってカウンターテナーはどうあるべきか、どのようなカウンターテナーが望ましいかという一つの指針が出たように見えた。
あくまでも声、声質・音域・声量にこだわっていた。声は女声の代わりではない、女声を使った方が良いと思われてはいけない。高い声が出れば良いというものではない、楽譜にある限り低音も確実だせなくてはいけない。ざっくり言えば、『ヴィヴィカ・ジュノーかソニア・プリナで行こうと思ったけど、君に賭けるよ』と言わせたい歌手を探している、というのが見て取れた。
コンペの進行は一巡目は歌手たちの緊張が勝ってしまい、大丈夫かなというパフォーマンスだったのだが、二巡目は自分で自己紹介をして歌い出すというシステムになり、彼らはそこからオーディエンスとの関係を近く感じたのか、各々が個性的に豊かなパフォーマンスを見せ始めた。そんな舞台をモノにする瞬間を目の当たりにできたことも大変興味深かった。
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